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2008.11.18

読んだ本「戦時演芸慰問団「わらわし隊」の記録」

日中戦争当時、朝日新聞社と吉本興業が合同で戦時演芸慰問団を設立。戦争している兵士への慰問に吉本興業所属の人気芸人を大陸へと送り込んでいた。本書はその戦時演芸慰問団、通称「わらわし隊」(日本軍の航空隊の通称「荒鷲隊」をもじったもの)の軌跡を追ったもの。危険かつハードなスケジュール(公演は兵士たちの要望で度々深夜まで及んだ)にも関わらず、送り込まれた芸人は柳家金語楼に、横山エンタツ、花菱アチャコ、玉松一郎とミス・ワカナなど当時のトップ芸人であり、吉本興業にとって本気かつ大きな事業であった。著者の早坂隆は数少ない資料を丹念に照合し「わらわし隊」の足取りを逐一追っていく。その姿勢は素晴らしく、また現代において殆ど忘れ去られていた「わらわし隊」について書籍という形でまとめた功績は大きいと思う。

が、本筋である「わらわし隊」との関連を越えて、従軍慰安婦問題や南京事件について右よりな著者の思想・心情がかなりの紙幅を割いて開陳されるのは感心しない。本書で述べられている従軍慰安婦問題や南京事件の真偽について僕にはどうこう判断することは出来ないが、左よりの人から歴史修正主義者のレッテルを貼られ、著者の政治的スタンスとは直接繋がらない「笑わし隊」に対する地道な調査の結果まで信頼に足りないものとされては不幸というものだろう。そういうことは別の著作でやってもらいたかった。(とは言うものの、一カ所著者の主張で面白いなと思った点がある。わらわし隊は日本軍の南京攻略の約一月後に南京入りし同地で公演を行っているという指摘で、それが正しければ、少なくとも南京市内に於いては1938年1月末の時点で慰問公演が行える程度の治安は確保できていたと考えて良いのかもしれない。勿論、だからといって民間人に対する非人道的行為が無かったなどは言えない。)

Wikipedia : わらわし隊

Nov 18, 2008 7:29:10 PM |

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Comments

1938年1月末の時点で慰問公演が行える程度の治安は確保できていたと考えて良いのかもしれない。
 → 勿論、だから民間人に対する非人道的行為が無かったのですよ。

Posted by: | 2009.07.05 09:42 午後

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